同じ系統。同一とは言えない。
乳頭を切らずにトンネル状に剥離し、縫合で歯冠側に吊り上げ、FGF-2と骨補填材を使う。この考え方は小川先生らの一連の報告と共通している。小川先生はPCATの著者ではないが、PCATの責任著者Maekawa先生が小川先生の論文2本に共著で入っている。直接の祖先はトルコのEPPT。切開の位置や縫合法は抄録に書かれておらず、どこまで同じかは判断できない。
「PCATは、小川雄大先生のトンネル剥離に似ている気がする。日本人が好きな術式なのか、海外でもやっているのか。」この問いに、PubMedの抄録を中心に答える。結論の前に、サブエージェントによる検証を2往復かけた。その記録も最後に載せている。
同じ系統。同一とは言えない。
乳頭を切らずにトンネル状に剥離し、縫合で歯冠側に吊り上げ、FGF-2と骨補填材を使う。この考え方は小川先生らの一連の報告と共通している。小川先生はPCATの著者ではないが、PCATの責任著者Maekawa先生が小川先生の論文2本に共著で入っている。直接の祖先はトルコのEPPT。切開の位置や縫合法は抄録に書かれておらず、どこまで同じかは判断できない。
2023年以降、日本からの報告が目立つ。
件数はどの国も数本〜十本程度と少ない。日本の報告はFGF-2(リグロス)と炭酸アパタイトを組み合わせたものが多く、小川先生、奈良先生、Maekawa先生、Imamura先生、Ishikawa先生らの共著グループに集中している。国全体の好みというより、ひとつの流派の活発さと、国内で使える材料の影響が大きい。
むしろ発祥は海外。
乳頭を切らない再生療法の原型は、トルコのEPPT(Aslan, 2017)、スペインのNIPSA(Moreno Rodríguez, 2018)、米国のVISTA(Zadeh, 2011)など。ランダム化比較試験もトルコとスロベニアから出ている。小川先生自身もAslan、Cortellini、Tavelliらと共著している。
乳頭を「切って、きれいに戻す」工夫から、「そもそも切らない」術式へ。国で絞り込むと、2023年以降に日本の報告が増えていることが分かる。
国は筆頭著者の所属による。年はPubMed上の掲載年で、オンライン先行公開と異なることがある。
代表的な術式の切開線を同じ模式図に重ねた。中央の乳頭の下に骨内欠損がある想定。抄録に書かれた範囲で描いた概念図で、実際の切開位置や長さは各論文の図を確認してほしい。
すべて抄録に書かれていることだけで埋めた。記載なし は「使っていない」ではなく「抄録に書かれていない」という意味。
| PCATTsuji, Hoshi, Maekawa 2026 | 歯槽骨頂上の歯周組織再建Ogawa, Maekawa ほか 2023 | トンネルCAF+CTGウォールKuo, Ogawa, Tavelli ほか 2026 | DEPPOgawa ほか 2024 / 2026 | EPPTAslan, Buduneli, Cortellini 2017 | NIPSAMoreno Rodríguez, Caffesse 2018 |
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表から読み取れるのは、PCATが、EPPT(トルコ)を直接の祖先とするトンネル系の術式に、「乳頭を切らない」「縫合で歯冠側に吊り上げる」「FGF-2と骨補填材」「骨と乳頭を同時に治す」という、小川先生らの複数の論文に分かれて現れる要素を組み合わせていること。一方で、2023年の再建法や2026年のKuoらの方法の中心にある結合組織移植(CTG)が、PCATの抄録には出てこない。CTGを使っていないのか、書いていないだけなのかは、本文を読まないと分からない。
共著関係を線で結ぶと、PCATの責任著者であるShogo Maekawa先生が、小川雄大先生、奈良嘉峰先生の論文とつながっている。2023年の歯槽骨頂上の再建、2026年のDEPP症例集積、奈良先生のフレキシブル・トンネル・テクニック(FTT)の3本である。
小川先生のDEPPの論文には、EPPTを考案したAslan先生とCortellini先生も名を連ねる。海外で生まれた術式を国内のグループが学び、FGF-2などの国内で使える材料と組み合わせて変法を報告する、という流れが見える。
線は「その論文で共著者だった」ことだけを示す。所属や師弟関係は示していない。
ノードにカーソルを合わせると(タップでも)、その人の共著関係が強調される。
PubMedで確認できた、乳頭・再生・トンネルに関わる論文。枠が赤いものはPCATと共通する要素が多い。症例写真は各誌の原著で見られる。
「日本人が好き」というより、条件が揃っている。ただし件数は少なく、検索語の選び方で数字は変わる。
トラフェルミンの歯周組織再生剤としての承認は、確認できた範囲では日本のみ(2016年)。日本の報告の多くがFGF-2を使い、炭酸アパタイトやウシ由来骨と組み合わせている。海外の報告はエムドゲインやPDGFが中心。ただしEPPでは、材料を足しても足さなくても結果が同じだったRCT(Aslan 2020)があり、術式の効果と材料の効果は分けて考える必要がある。
小川先生、奈良先生、Maekawa先生、Imamura先生、Ishikawa先生らの共著グループが、DEPP、歯槽骨頂上の再建、FTT、PCATと変法を次々に報告している。海外の考案者(Aslan、Cortellini、Tavelli、Rasperini)との共著も多い。
IJPRDやClinical Advances in Periodonticsは、新しい術式の症例報告を積極的に掲載する。開業医のスタディグループで症例を磨き、術式名をつけて発表する文化とも相性がよい。
「entire papilla preservation」「non-incised papillae」「tunnel+intrabony」などで検索し、歯周領域に絞ると約50本。2023年以降に限ると日本が最多だが、トルコ、イタリア、スペインとの差は数本で、それ以前はトルコ(EPPT)とスペイン(NIPSA)が中心だった。
矯正歯科医にとって大事なのは、黒い三角が実際に小さくなるかどうか。現時点の答えは「乳頭を減らさずに済む」ことは比較試験で示されているが、「乳頭が増える」ことは症例報告の段階、である。
ランダム化比較試験(Kobeら 2026、NIPSA対EPPT、40人)は、どちらの術式でも乳頭の高さと幅が保たれたと報告した。NIPSAの症例集積では乳頭先端が平均0.4 mm歯冠側へ移動した。PCATや小川先生の再建法が示すような乳頭の回復は、1例〜数例の報告にとどまる。
黒い三角の治療としては、矯正による接触点の移動、IPR、補綴による歯冠形態の修正、ヒアルロン酸注入なども候補になる。小川先生自身が2026年に、歯周・矯正・補綴を組み合わせた黒い三角の管理をレビューにまとめている。
乳頭の高さは保たれるEPP単独とEPP+材料で同等(Aslan 2020)。NIPSAとEPPTで同等、乳頭も保存(Kobe 2026)。
アタッチメントの獲得は安定DEPP 12か月:CAL獲得 5.3 mm(Ogawa 2026)。M-NIPSA 10欠損:3.65 mm(Katayama 2026)。
乳頭の回復を報告PCAT(1例)。歯槽骨頂上の再建(1例、2年)。EPP+CTGウォールでClass II→I(Yıldız 2026、1例)。
乳頭の回復量を比べた比較試験PubMed上では見当たらない。
このページは、最初の調査メモをサブエージェントに批判的に読ませ、反論と修正を2回繰り返してまとめた。何が直ったかを残しておく。
PMIDはPubMedへのリンク。本ページの記述は各論文の抄録に基づく。